精神科病棟(認知症病棟)について皆さんはどんなイメージを持っていますか?
「怖い」「汚い」「トラブルが多い」「辛い」なんていうマイナスイメージが多いのではないでしょうか?実際私も精神科病棟で介護(看護助手)の仕事を始めるまでは多くのマイナスイメージを持っていました。
ここでは私が実際に精神科病棟(認知症病棟)での体験談を少しフィクションを交え公開していきます。
ある日の夜勤で・・・
私しらすが働いていた病院の夜勤は看護師との2人で夜勤を行っていました。その日の夜勤も夕食の時間までは何事もなく、食事介助も終わり平和に過ぎていました。
食事の洗い物厨房に下げにいきますね。
了解、お願いします。
仲のいい看護師との夜勤だったので、いつも通り業務を行っていました。
この時間は病棟に看護師が1人になり看護師は自室に帰った患者さんの看護業務のためホールから離れることがあります。
ホールの患者さんがいなくなってる?
厨房から病棟ホール帰ってきた私はホールの患者さんの人数が少ないことに気づきます。
時間的にホールに残っているのは車いすの患者さんで自分では移動できない方がホールにいるはずなのに、ホールにいる車いすの患者さんがいなくなっていました。
(看護師(いわし)さん部屋まで誘導してくれたのかな?)
そんなことを思いながら残っている患者さんを部屋まで誘導しようと準備していると
点滴に手間取って時間かかっちゃったホール大丈夫?
と言いながら患者さんの部屋から看護師(いわし)さんが出てきました
看護師(いわし)さん何人かホールから部屋まで誘導してくれました?○○さんと△△さんがホールにいないんですけど?
え!?俺□□さんの点滴してたからしらないよ?
探さないといけないと看護師と話していると廊下の奥の部屋から先日入院されたAさんが出てきました。
Aさん登場
Aさんが出てきた部屋はAさんの部屋ではなかったので私は嫌な予感がし看護師とAさんのところへ向かいました。
おい!!
Aさんは興奮した様子で部屋の中に話かけていたので落ち着くよう声掛けをしました。
Aさんどうされましたか?
ここのはいうことを聞かん!!
Aさんは精神疾患があり、ほかの病院から先日こちらに入院されたばかりでした。ここ数日夜間も穏やかに過ごされていたので、何が起きたのか不明な部分が多く看護師と落ち着くように声掛けしながらAさんのところへ向かいました。
牛になった患者さん!?
Aさんが話かけていた部屋の中にホールからいなくなっていた患者さんがいたので少しほっとしながらAさんに話しかけました。
Aさん?落ち着いてください、どうされました?
おい!!牛が逃げたんやここに連れてこい!!
(ん?牛?)Aさん牛ですか?
Aさんはとにかく牛が逃げたと私たちに訴えているので、どこに牛がいるのかたずねると
そこや!!そこに牛がおるやないか!!
と部屋の中の車いすの患者さんを指さしました。
Aさんには車いすの患者さんが牛に見えており、ホールにいる車いすの患者さんが逃げ出した牛に見えているみたいでした。
その後、看護師とAさんに連れてこられた車いすの患者さんの確認をおこない、話を聞くことでAさんも徐々に落ち着きを取り戻したのですが、ホールから患者さんがいなくなるというとても怖い経験でした。
Aさんは畜産業を営んでいた過去からこのようなことが起こったのかわかりませんがその後日勤でAさんと話していると窓からみえる車を指さし
牛がきれいにつながれとるな!
と満足そうに話されていました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう!!